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  • 川沿いの軒先で、ドビーのお母さんじゃない人と謎ジェスチャーで握手した夜

    The Police Comin`Street

    久々の面子でストリート。ドラムはいつものRYU ベースはメロディのGrooveがヤバい良い山田マン、キーボード韓国から帰ってきたドビー一通り盛り上がったら止められた。

    ただ、珍しく一曲待ってくれた。気候と共に街の空気も柔らかくなっている。

    機材をまとめて川沿いに回り、いつもの店の軒先を借りて続きをやらせてもらうことにした。中国系の人がやっている小さな店で、扱っているのがステーキとコーヒー、しかも喫煙可。組み合わせの時点ですでにカオスなのだが、何度名前を聞いても覚えられない。店側も毎回ええ感じで迎え入れてくれて、こちらのバスキングを助けてくれる。今日も音を出し始めると、店の人が静かにうなずいて、仕事に戻った。こういうときの「どうぞ」の合図は国境をまたいで同じだ。

    ドビーと一緒にやっていると、毎回おもしろい現象が起きる。通りかかった韓国人観光客が、すごい勢いでドビーに話しかけ始めるのだ。身振り手振りが家族のそれで、こちらは「知り合い?」と毎回思うのだけど、ドビーは毎回「全然知らん人」と言う。韓国の人は初対面との距離感があれくらいなのか、ドビーに人を寄せる磁場があるのか、いまだによくわからない。

    今日もその現象が起きた。店に入ってきた韓国の女性が、ものすごい前のめりでドビーに突進してきた。雰囲気だけで言うと「ドビーのお母さん?」という圧。ドビーも楽しそうに応対している。ただドビーのお母さんではない。

    この人がこちらにも盛り上がってくれて、携帯を取り出して翻訳アプリを開き始めた。液晶を覗き込むと、入力言語が韓国語、出力言語が中国語になっている。いや、こっちは日本語。しかもアプリが不調なのか、入力しようとする途中で何度も落ちる。落ちるたびに立ち上げ直すのだけど、毎回言語設定は韓国語→中国語のまま。

    そうか、この人、こちらも中国系だと思ってるっぽい。軒先を借りている店が中国系なので、その流れで誤解されたのかもしれない。結局アプリは諦めたらしく、向こうから日本語で「ありがとう」と言ってくれた。急に着地した。

    握手でもするのかなと手を差し出したら、相手は謎のジェスチャーを返してきた。握手でも抱擁でもハイタッチでもない、名前のついていない動き。韓国で最近流行ってるやつなのかな、と思ってあとでドビーに聞いたら、「私も知らん」と返ってきた。これがグローバル知らんけどという話か。

    女性が帰ったあとで、メンバーと喋ってて気づいたことがある。

    大阪人のこっちが東京でストリートやってる人を見かけて、ええ感じやなと思って投げ銭して話しかけるとする。相手が大阪から来てるって分かった瞬間、急にテンションが上がって「ええやんー」を連発する、あれ。自分たちも全然やる。

    それ思い出したら、ドビーのところに韓国人観光客が突っ込んでくるのも、今日のお母さんじゃない人の前のめりも、わりと腑に落ちる。地元ネタを掴んだ瞬間の、あの距離がゼロになる感じ。国が違うだけで、やってることは似てるんちゃうかな、と思う。大阪と韓国のノリ、共通点ある気がする。

    結局知らんけど。という話。